医療機関に限りませんが、人が働いている以上、何らかのエラーやミスがあります。
その時に、再発予防を講じるために、医療機関ではインシデントレポートを記載します。
インシデントレポートというとすごく否定的で、反省文的な要素に感じる方もいるかもしれません。
「これはインシデントではない。」と拒否する人もひょっとしたらいるかもしれません。
プライドを傷つけられる人もいるかもしません。
でも、それって正しいでしょうか?
人間は感情があるのでミスをした時には、「迷惑をかけた、悔しい、情けない、腹が立つ、恥ずかしい」などいろんな思いが噴出するかもしれません。
人間性が出てしまうときもあります。
しかし、個人的な感情を理由にインシデントレポートを拒否するというのはとんでもないことなのです。
インシデントレポートはあくまで重大な事故を未然に防ぐためのものなので、当院では些細なミス、エラーでも書くことが当然となっています。
ですので、そこには恥ずかしさはありません。 レポートには他人でもわかるように状況をきちんと記載し、自分で考え得る要因を書いていきます。
対策を立てる必要もあるでしょう。
個人的な対策、組織としての対策など。
私も個人としてミスすることはあり、レポートを記載しますが、自分なりにルーティンを増やすとか、工夫するとか試行錯誤しています。
組織としては医療安全委員会が対策を講じ、みんなで実行していく。
エラーがあれば、また対策を講じ、実行する。
インシデントレポートで大切なことは
・反省を強要しないこと(自省は必要)
・ものを見て、人を見ない(つまり、人を見て判断せずに事象で判断する)
この人はミスを繰り返しているからもっと書かなあかん。
この文章上では反省が感じられない。
また、院長だから書かなくていいというものではありません。
インシデントレポートは感情的なものではなく、冷静に状況を振り返り、要因を考え、対策を講じる。
これが大切なのです。
指摘するのであれば、「レポートを他人が見て理解できない場合」です。
あとは、アドバイスでしょうか。
色んなインシデントがありますが、インシデントに対して話し合いを講じ、それを実行した時は、また新たなチームワークができると実感しています。
インシデントというネガティブな要素を成長に変える瞬間、信頼関係の向上を垣間見ることがあります。
組織は互いに考えることでチームワークが生まれます。
そこに個人的な攻撃や愚痴は全く不要で、負の要素となるでしょう。