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院長の臨床メモcolumn

2018.01.09

塩分は水をたくさん飲めば吸収されないのか?

今日、内科の外来である患者さんが、

「血圧が高くて、薬を飲んだらよく下がりました。

よく考えてみたら塩分も多かったですね。

でも塩分は水も一緒に飲んでいますから、薄まると思うんですよ。」

こんな話がありました。

つまり、塩分をとっても大量の水と一緒に飲むと、塩分の濃度が薄まるので、吸収される塩分も薄まるはずという考えです。

もちろん、これは間違いですね。

塩分は摂取したほとんどが消化管で吸収され、腎臓で排泄されます。

いくら大量の水分ととっても塩分の吸収量は変わらないので、血圧上昇のきっかけになります。。

腎臓病の方は、場合によっては血圧が上昇し、浮腫が発生するでしょう。

ナトリウム排泄が低下している患者さんでは、体内のNaがどんどん貯留し、血圧が高くなり、降圧剤も効きづらくなっていきます。

同じよう話で、ポテトチップスは重さが軽いので、体重が重くならないと思っている患者さんもいました。

この話は、いいように解釈しているのか、本当にそう思っているのかはわかりませんが、やはり間違いがあれば適切に指導する必要があると痛感しました。