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院長の臨床メモcolumn

2018.03.08

3月の医師カンファ(ファブリー病について)

●ファブリー病とは

・X染色体劣性遺伝形式

・αガラクトシダーゼが欠損することにより糖脂質が血管内皮細胞、平滑筋細胞などに ・頻度は7000人に1人

(透析患者では)
・Fabry病の頻度は1万人あたり1~4名 ・αガラクトシダーゼによる透析患者のスクリーニング(N=1366)では3名の腎型Fabry病が診断され1万人あたり20名前後(全国で600人)と推定。

●ファブリー病のタイプ
①古典型:四肢痛、低汗症、皮膚の被角血管腫、腎不全、心肥大など
②心型:心臓の症状に限局する心型
③腎型:腎臓の症状にほぼ限局

●症状
皮膚症状:被角血管腫、下肢のリンパ浮腫
循環器症状:心肥大など刺激伝導障害
眼症状:角膜の渦巻き状混濁(幼少時から、視力に影響少ない)
耳症状:難聴
消化器症状:腹痛、下痢、虚血性腸炎 腎症状:蛋白尿(初期症状)、腎不全
神経症状:四肢の痛み、低汗症、脳梗塞、頭痛

(診断) 血清αガラクトシダーゼ活性の測定:正常の10%以未満

(酵素補充療法:2週間ごと)
ファブラザイム/リプレガル
*発熱や疼痛などのアレルギー症状が生じやすいので、投与1時間前にH1拮抗薬と解熱鎮痛剤を投与する。  

*両薬剤ともに透析中に投与することは可能(透析中の方がAGA高い傾向になる)

(診断後、治療するべき患者さん)
・古典的ファブリー病(痛みなどを緩和させる)
・心型ファブリー病(心肥大、心不全、不整脈の抑制)
・腎型ファブリー病では透析している場合、メリットは考えにくい。