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院長の臨床メモcolumn

2011.06.25

飲酒について

透析の回診をしていると時にこんな質問があります。

「透析をしていても酒は飲んでいいの?」

これはすごい難しい質問でいつも答えづらいものがあります。
基本的には透析されている方の場合、飲酒すると水分がたまる、アルコールによってはカリウムやリンが上がる、尿酸も上がることがある、といわれています。
特にビールやワインはカリウムあるいはリンが高いのでできる限り控えた方がいいでしょう。
焼酎やウイスキーはアルコール度数が高いけど、カリウムやリンがほぼないので少量であればOKでしょうという話になります。

またアルコールによって不整脈や心臓障害、血糖の悪化も心配されます。
ということはやはり透析患者さんにとってアルコールはよくないものだと思います。

学会でもタバコほど強く禁酒は指導されておりません。

透析患者さんの場合、食事を含めて制限が多く飲酒は精神的には随分と楽になるかもしれない。
理屈は分かっているけれども、何でもかんでも制限、制限というのは患者さんと付き合っていく中で強く言っていいのかなあとついつい思ってしまいます。

人生の中で何を楽しみに・・ということを言われると”健康”、”運動”、”趣味”などいい言葉は出てきますが実際はなかなか見つけ出す方は少ないと思います。この質問は酒好きの方が多いので、その楽しみを取ってしまうのは大変心苦しく思います。

ただ医療従事者としてはアルコールについてはきちんと説明をし、できる限り控えてもらい、楽しみ程度あるいはご褒美として機会飲酒をするよう勧めています。