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院長の臨床メモcolumn

2015.10.06

静脈圧上昇に対するポータブルエコーの利用

透析中によく鳴る警報として静脈圧上昇があります。

針先が血管に当たっていたりするので、押したり引いたりして、対応します。

この場合、通常ブラインドでしていました。

昨日は静脈圧上昇で警報が鳴っている患者にエコーを当ててみると、針の先端は血管内に入っていましたが、血管の膜を完全に貫通されていないため、膜が引っ掛かっており、静脈圧が上昇していました。

この場合、柔らかい外套を押しても、引いても膜を破ることはできないので、針先端だけ血管内に入っている状態には変わりなく、静脈圧は減少しません。

今までだったら再穿刺という流れでしたが、今回は、外套の中にペインレスニードル(針先が鈍)を挿入し、引っかかっているない膜を破って、再挿入しました。

すると完全に針が血管内に挿入され、静脈圧も低下しました。

ポータブルエコーは透析中のトラブルの回復の助けにもなりますね。