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院長の臨床メモcolumn

2020.01.08

透析とインフルエンザ

インフルエンザの国内の発生は1シーズンで1000−2000万人と言われています。

透析患者さんは感染しやすく、一般住民の約3倍罹患しやすいという報告があります。

ということは、おおよそ12000人の方が1シーズンで罹患するということになります。

予防となると、ワクチンが有効でしょう。

しかし、ワクチンは完全に発症率を著しく低下するというものではなく、重症化を予防できる程度かもしれません。

それでも肺炎や脳炎などの合併症による入院を減少できるということは非常に有意義だと思います。

血液透析患者さんで注意が必要なのは、横のベッドの方が感染した場合でしょう。

インフルエンザは飛沫感染や接触感染で伝播します。そのため、2m以内の場合は、感染しやすくなります。

時間的にずらせたらいいのですが、現実的には難しいことが多く、パーテーションを使用することが多いと思います。

接触感染ということもあり、手洗い、消毒などの清拭も大切です。

もちろんマスクは必須ですね、

診断には迅速インフルエンザ検査になります。

以前は6時間経過しないと陽性にならないようなキットがありましたが、最近では3時間以内に要請になるという感度が高いキットが発売されています。

治療は、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、ゾフルーザすべてで使用可能ですが、タミフル、ラピアクタは容量調整が必要です。

耐性菌で問題となるのが、タミフル、ラピアクタ、最近ではゾフルーザですが、耐性インフルエンザが蔓延することは稀といわれています。

予防的投与に関する報告は少ないですが、過去には透析室でのアウトブレイクの際にタミフルを使用し、有効であったと報告されています。

これからインフルエンザの最盛期に入ります。

飛沫感染、接触感染を注意するだけでもだいぶ違います

うつらない、うつさないことを気にしていきましょう