はじめての方も
お気軽にご相談ください

院長の臨床メモcolumn

2015.07.03

腎臓病健診

腎臓病健診というより、4月からの学校健診、特定健診で、最近毎日、腎臓病が引っかかった患者さんが来られます。

尿たんぱく陽性、クレアチニンが高い。

尿蛋白はほとんどが+-~+程度。

クレアチニンも0.7-0.8台くらい。

慢性腎臓病でいうとステージ2-3aくらい。

この方たちにシスタチンCや尿蛋白定量を行っていくとほとんどの方が、慢性腎臓病1,2であり、尿蛋白定量も感度以下で、尿蛋白クレアチニンを計算するまでもないくらいです。

しかし、一方で、尿蛋白2-3+、尿潜血3+という尿所見が強い患者さんもいらっしゃいます。

IgA腎症やループす腎炎を疑わす患者さんがいらっしゃいます。

健診はほとんどの方が正常ですが、ごく一部に異常を認めます。

皆さん、見かけは元気です。

こちらとしてはいかに健診異常で「本当の異常」を見定めることができるかが最大の課題であり責務でもあります。

慢性腎臓病ステージ3aで高血圧や糖尿病の基礎疾患もなく、尿蛋白陰性の方も結構いらっしゃいます。

そのような方は食事指導と経過観察になりますし、尿たんぱく陽性の患者さんは腎臓病の進行や心血管イベントの抑制を目的に、食塩制限、RAS阻害薬を使用したりします。

一つ思うことは、尿蛋白陰性の患者さんで、尿アルブミンはどうなっている?と思うことがあります。

いろんな報告で尿アルブミンが上昇すると心血管イベントの確率が悪化し、腎不全の進行リスクも増加します。

それなのに糖尿病でしか尿アルブミンが測れません。

そのギャップはよく感じます。

心血管イベントを抑制、腎不全進行を抑制しようというのであれば尿アルブミン測定の保険適応の幅を広げてくれたらうれしいなあと勝手に思っています。