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院長の臨床メモcolumn

2021.05.27

抗凝固剤関連腎症

ワーファリンやDOAC投与中に急性腎障害を発症することを抗凝固剤腎症という

糸球体出血と変形赤血球や赤血球円柱による尿細管閉塞が病態の主体である。

・ワーファリンでは、PT-INR3以上の状態で、クレアチニンが1週間で0.3以上でワーファリンに伴う腎症が疑われ、頻度としては2-3割といわれている。

ワーファリン関連腎症は慢性腎臓病の進行リスクにもなり、長期死亡率も上昇するといわれている。

・DOACの一つであるダビガドランは、IgA腎症がベースにある場合発症する可能性があるといわれている。同様に抗凝固剤関連腎症をきたすが、イルシズマブという中和製剤があり、迅速に無効化するため、腎症や肺胞出血など重篤な症状を認めた場合は速やかに投与する。