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院長の臨床メモcolumn

2015.04.09

慢性腎臓病での利尿剤

最近、利尿剤が見直されており、「利尿剤での腎保護作用」とまで言われるようになっています。

わたしも利尿剤単独では高血圧に使うことはほぼありませんが、よく使用しています。

第一選択薬としてはARBあるいはCa拮抗薬。

尿蛋白や尿アルブミンが上昇している方はARBを投与し、ご高齢の高血圧患者さんにはCa拮抗薬を使用しています。

Ca拮抗薬は尿蛋白が少ない症例で、腎臓でいうと腎硬化症や多発性嚢胞腎の方に使用しています。

尿蛋白が1g以上ある方はARB.

そこで120台に下がってくれたらいいのですが、なかなか1剤では低下しないことがあります。

その場合は少量のサイアザイド系利尿剤を使用します。

糖尿病の場合血糖上昇などの注意項目もありますが、比較的血圧低下作用は強いと思われます。

腎機能がかなり悪い場合は併用効果も少ないですが、尿アルブミンや尿蛋白レベルの腎症で、高血圧の患者さんに対しては有効だと思います。

夏場の脱水や低K血漿も注意ですが、注意深く見ていけば大丈夫だと考えています。

最近ではARB+利尿剤の合剤も出ているので処方もしやすく、利尿剤の量によっても合剤を選択できるので、余計に処方しやすくなりました。

昔から使用されている利尿剤で、大規模臨床研究でも陰に隠れていた存在ですが、最近、注目されています。