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院長の臨床メモcolumn

2016.10.06

保存期CKDの貧血管理ではミルセラ優位…

あくまでエポジンとミルセラの効果という点で考えると、

エポジンでは保存期から透析導入期にかけて投与してもHb10以下になることがよくありましたが、

ミルセラが登場してからHb10以下になることは少なくなり、貧血の管理がすごくしやすくなりましたね。

ミルセラは月1回投与ですが、月2回投与方法の方が効果は高い実感があります。

下記の図でもあるように、クレアチニンが上昇し、腎機能が悪くなってもHbは維持されていますよね。

さらに下の緑の棒グラフのとおり、あまりミルセラの量が増えていないことも注目されます。

貧血といえば鉄欠乏性貧血ということでフェリチン50以上にはしておこうということですが、

保存期の場合、経験的にはあまり鉄剤が必要となるケースは少ないように思えます。

生理出血のある女性は別ですが、鉄を失う状況は少なく、限りある体内の鉄分で循環しているようにも思えます。

ただ、もちろんESAを使用しだすと鉄の利用効率は上昇するので、きちんを血液検査することは必要ですね。

保存期のHbを管理することによって、その後の心血管イベントの発生も抑制するといわれています。

保存期のHb管理は透析になってからも影響してくるので、ミルセラを含め適正なコントロールが必要になってきます。