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院長の臨床メモcolumn

2022.07.20

保存期腎臓病の腎性貧血

鳥居薬品のリーフレット(昭和大学腎臓内科本田教授)

  • 慢性腎臓病ステージ4では約37%、ステージ5では約53%方が腎性貧血を有している。しかし、実際貧血の治療を行っている方はステージ4で8%、ステージ5でも約22%である。
  • Hb低下すれば腎性貧血の治療を行うべきであるが、早期治療がいいのかどうか?Hb9未満で開始とHb11未満で開始の2群で比較して報告では11未満で開始したほうが、腎障害の進行、透析導入、死亡リスクなどを改善した。
  • HIF-PH阻害薬では鉄吸収、トランスフェリン発現により鉄利用効率が上昇する。
  • 注意しなければいけないことは、トランスフェリン上昇に伴う血栓塞栓症である。トランスフェリンが上昇すると、フィブリノゲンなどが結合し、血栓塞栓のリスクが向上する。鉄欠乏によりトランスフェリンが増加することから、HIF-PH阻害薬を服用している時は状況次第であるが鉄剤併用は理にかなっている。