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院長の臨床メモcolumn

2015.08.20

リオナ投与中のHb上昇には要注意

リオナは昨年発売された、リンを吸着する薬です。

その効果は高く、かつ鉄を用いてリンを吸着してくれるので体にも安心感はあります。

特徴としてはリンを下げ、かつ鉄の吸収により貧血も改善してくれるというダブルの効果があるリン吸着剤ともいえます。

しかし、このリオナは1錠250㎎あたり、鉄が60㎎含まれています。

通常多く飲まれている量は1500㎎(6錠)ですので、その場合でも360㎎の鉄を内服することになります。

一般的な鉄剤と比べて約3倍の量となります。

透析されている方は鉄が十分ある方はヘプシジンにより消化管からの鉄吸収が減少しているので、余分に鉄が吸収されることはないのですが、リオナを飲んでいると大量の鉄分が消化管に入ってくるため、いくぶんか鉄が吸収され、造血に回ってしまう可能性があります。

そのため、リオナ内服したのちに、リンが下がっても、ヘモグロビンが上昇しすぎるということにもなり得ます。

どんどんエポジンなどのESA製剤を減らしていっても、ヘモグロビンの上昇が止まらず、ついにはESAを中止してもまだ、ヘモグロビンが高いということも遭遇します。

この場合どうしたらいいのでしょうか?

リオナを中止しますが、まずリンが上がりますね。

かといって、それほどヘモグロビンが急に下がることはありません。

当院では数名の方がこのような状態になっています。

皆さんそろってリンがすごく下がってよく効いていました。

それだけに、中止するかどうかは難しいところです。