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院長の臨床メモcolumn

2019.08.12

ファブリー病

ファブリー病はαガラクシトダーゼの遺伝子変異により発症するX連鎖性遺伝性の選定性代謝疾患です。

GL-3という物質が血管、感染、腎臓、心臓などに蓄積し病気を発症させます。

私がシニアレジデントの時に経験したケースはGL-3の蓄積により四肢の疼痛、無汗症、被角血管腫が症状とありましたが、すでに透析が行われていました。いわゆる古典型です。

当時は、そのほかに心臓型、腎臓型と分類されていましたが、最近では、合わせて遅延型と言われています。

この病気の注意点は古典型といわれる典型的な所見以上に、発見が難しい遅延型です。

腎型の場合、思春期以降に蛋白尿+進行する腎障害がある男児の場合疑う必要があります。

もちろん、四肢の痛みや無汗症などの問診は必須です。

早期発見により酵素補充療法の恩恵を受けることができます。

珍しい疾患ではありますが、中学校以上の学校健診などで発見される可能性もありますので鑑別疾患として挙げる必要性はあると思います。