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院長の臨床メモcolumn

2014.08.11

カリウム吸着剤含有のカルシウムには要注意

腎臓が悪くなると、尿からのカリウム排泄が低下します。

カリウムが出ていきにくくなると血中のカリウムが上昇し、高カリウム血症となります。

そうなると不整脈の危険が出てきます。

カリウムを適正内に調整することはとっても大切なことです。

基本的にはカリウム制限が必要なのですが、それでも改善しない場合はカリウム吸着剤という薬が必要になります。

腸の中でカリウム吸着剤によって薬と消化管の中のカリウムが結合して、便に排出させます。

そうするとカリウムが吸収される量が減るので、カリウムが低下します。

このカリウム吸着剤にも種類があり、カルシウム吸着型とナトリウム吸着型があります。

カルシウム吸着型は商品名でいうとアーガメートやカリメート、ナトリウム吸着型はケイキサレートになります。

透析患者さんではカルシウムが高くなると血管の石灰化になるのであまりカルシウムがたくなるのはよくないことです。

アーガメートやケイキサレートはカルシウム含有のカリウム吸着剤なのでカルシウムが高くなる可能性があります。

これらの薬剤は1個5g入っていて、1日に3個飲むことが多いです。

このうちカルシウムは「1050-1350㎎」といわれています。

食事が600㎎くらいですから結構なカルシウム負荷といえます。

リン吸着剤でよく使用されるカルタンでいうと「6錠(カルシウム約1200㎎)」に相当します。

カルタンも飲んでいて、さらにアーガメートやカリメートを内服している方はカルシウムが上がりやすくなるので要注意ですね。

さらに透析液のカルシウム濃度が高い場合は余計に注意です。

カリウム吸着剤を飲んでいる方は一度ご自身のカルシウムとチェックしてみてはいかがでしょうか?