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院長の臨床メモcolumn

2013.07.16

☆骨粗鬆症、骨折の予防~月1回の点滴《ボナロン》

日本の骨粗鬆症の患者さんは1280万人と推定され、このうち骨粗鬆症の治療を受けているのは約300万人と考えられています。

しかし残念ながら大腿骨骨折をされた患者さんで、骨折前に骨粗鬆症の治療を受けておられたのはたった4%と報告されています。

まだまだ骨粗鬆症の治療率は低いと言えそうです。

大腿骨骨折はまず入院が必要であり、手術が必要になります。

長期的な入院となり、場合によっては寝たきり状態になりえる注意しなければならない疾患です。

慢性腎臓病の方でも腎臓病ではない方と比較し、大腿骨や腰椎の骨折をしやすいと報告されています。

骨折の予防に対する薬剤治療としてはボナロンやベネットなどのビスフォスホネート治療薬が第一選択に挙げられます。

ビスフォスホネート剤も当初は毎日起床後に内服していましたが、その後週1回製剤、最近では月1回製剤が発売されています。

またボナロンに関しては月1回の点滴製剤が発売になっています。

点滴では胸やけなどの副作用が生じにくく、内服ができない方にも使用できます。

点滴も一長一短ですが、内服できないような方には有効と思います。

腎臓病や透析の方は骨が弱い方が多く、透析医は「骨の管理」も求められます。

ビスフォスホネートは腎臓病や透析患者さんでは「禁忌」ではなく「慎重投与」となっています。

透析学会でもボナロンについて発表され、その有効性と安全性についても報告されています。

「骨を守る」という観点からはビタミンD同様、ビスフォスホネートも有効だと思います。