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院長の臨床メモcolumn

2013.04.24

☆肉眼的血尿には要注意

肉眼的血尿とは実際自分の目で見て尿に血が混じっているという状況です。

対して、健康診断で異常を示した尿検査は「顕微鏡的血尿」です。

これは自分で見て尿に血が混じっていない状態です。

当院で肉眼的血尿で検査したところ「悪性腫瘍」が強く疑われた患者さんがいらっしゃいました。

肉眼的血尿は何か隠れている可能性が高いです。

報告例です。

顕微鏡的血尿患者 691 例と肉眼的血尿患者 309 例の合計 1,000 例(年齢 18〜92 歳、平均 55 歳)について原因を解析した Mariani らの報告によると、悪性腫瘍の如く生命を脅かす病変、生命を脅かさないが治療を要する病変、または少なくとも経過観察を要する意義ある病変は顕微鏡的血尿群では 20.9%、肉眼的血尿では 57.6%であった。

肉眼的血尿は50%以上の確率で病気が隠れているといえます。

気をつける主な疾患として

・膀胱癌

・尿管腎盂癌

・腎臓癌

・尿路結石

・出血性膀胱炎

・糸球体(腎臓自体)障害

があります。

顕微鏡的血尿も要注意ですが、肉眼的血尿は放置してはいけません。

尿路上皮癌といわれている膀胱がんと尿管腎盂がんを必ず否定しておく必要があります。